借地権のメリット・デメリット

借地権は、大きく区分すると、「旧借地法(旧法)」と「現在の借地借家法(新法)」に区分されます。旧法借地権は新法借地権に比べて、借地権者の権利が強くなっています。
以下は旧法借地権に関する説明です。

借地権のメリットとしては、
・所有権よりも安く買えるので、同じ金額であれば広い土地・利便性のよい土地を購入できる。

デメリットとしては、
・地代(借地賃料)の支払が必要(一般的に固定資産税の2~3倍程度。なお土地の固定資産税は地主負担)
・借地権上の建物を、増築・大規模修繕や建替えをする場合、木造や軽量鉄骨の建物(非堅固建物)から重量鉄骨・鉄筋コンクリートなどの建物(堅固建物)へ建替える場合の条件変更、第三者への譲渡、などの場合に承諾料の支払が必要。
・非堅固で20年、堅固建物は30年ごとに更新料が必要。
・借地権上の建物を担保に借入を行う場合、地主の印鑑と印鑑証明が必要。
・そのときの時勢により、所有権に対する借地権の金融機関による担保評価に変動がある。

各種承諾料については、過去から多数の判例が出ているため、ある程度の目安が出ています。また相続のようなケースでも名義変更の場合は承諾料は不要です(遺贈を除く)。


メリットに比べてデメリットの記載が多くなっていますが、購入代金が安いので、多くの判例を参考に更新料の支払を勘案しても、建替えや譲渡の予定がない場合は、購入代金の安さは、大きなメリットとなると思います。

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借地権における譲渡承諾料~相続、遺贈、生前贈与

借地権を譲渡する場合には、原則として地主の承諾が必要で、その際に譲渡承諾料の支払が必要になってきます。金額的には借地権価格の10%というケースが圧倒的に多いようです。

ただし、相続による名義変更の場合は譲渡承諾料の問題は発生しません。
法定相続や遺産分割協議書による相続であれば、その旨を地主さんへ連絡するだけで一般的には大丈夫です。
銀行から抵当権等の問題で、借地契約名義の確認等の書類提出を求められた場合には、地主さんへ捺印していただく必要が出てきますので、謝礼程度が必要になる場合もあります。

それ以外の遺言による遺贈等の場合は、承諾料が必要となりますのでご注意下さい。

次に、息子さんに生前贈与したいというようなケースです。
税理士さんになどに相談して、「生前贈与を行なっても税金がかからない」という場合でも、譲渡承諾料(名義変更承諾料)がかかります。
推定相続人に対する生前贈与の場合も、譲渡承諾料が必要になることが多いのです。
といっても、借地権が相続された場合に譲渡承諾料の支払が原則必要ないことから、通常の譲渡承諾料よりは安くなるのですが、
「借地権の推定相続人への生前贈与の場合、譲渡承諾料の支払をする」
という裁判所の判例があるので注意が必要です。

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借地における増改築承諾料-2

前回(借地における増改築承諾料-1)から続く

ところで、なぜ増改築承諾料の支払いが必要になるのでしょうか?

借地契約は、建物の所有を目的としたものです。(これは基本ですよね)
一般的な理由としては、
この建物が「古いか、旧借地法で言う朽廃に近い状態か」によって借地更新時期における更新拒絶の正当事由の一部になったり、朽廃であれば旧借地法では借地終了になる可能性も出てきます。
この建物を新しくするわけですから、当然借地権としての権利を高めることになるわけです。

ここでの注意は、現借地借家法と旧借地法では扱いが違うことです。
現借地借家法では、朽廃は通常の滅失(火災・地震・風水害等による建物の消滅)と同じように扱われ、朽廃による借地権の終了はなくなったんですよ。逆に言うと、旧借地法の場合は、朽廃により借地が終了する場合(法定更新をした場合や期間の定めがない場合など)があるのです。

この増改築承諾料の話しは、借地契約上で増改築の禁止特約がある場合の話しとして、第1回で書きましたが、禁止特約であることに充分注意して下さい。
もし先に増改築工事を始めてしまった場合、重大な契約違反となり解約解除事由になることが普通で、裁判所も工事着手後の申立ては状況によっては非常に難しくなります。

なお、部分的な改築や増築、大規模修繕に関しても、承諾料の支払いが必要になる場合がありますが、通常の修繕の範囲であれば、承諾は必要がありません。

書いていてだんだん難しい書き方になってしまいましたが、借地は建物を所有するためには、とても良い権利の一つです。いくつかの大事なポイントさえ間違えなければ、大丈夫です。
もし建替えや修繕の予定がある場合には、できるだけ早めに、地主さんや、私たち町の不動産業者に相談してみて下さいね。
手続きや段取りなどのアドバイスなど、少しずつでも皆様のお役に立てるよう日夜頑張っています。

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借地における増改築承諾料-1

増改築承諾料(建替承諾料とも言われます)とは、借地契約上で増改築の禁止特約がある場合(一般的には禁止特約があることがほとんどです)に、借地契約の条件変更を伴わずに借地上の建物を建替・増改築する際に、借地人から地主へ支払われる承諾料です。

借地条件の変更を伴わないというのは、「借地上の建物の構造が変わらない」と考えると分かりやすいかもしれません。木造から木造への建替えで、その他契約条件の変更がない場合ですね。
借地契約では、非堅固建物・堅固建物とわけられますが、これが変わらなければ増改築承諾料、変わると条件変更承諾料となります。

建替えの場合、借地非訟事件では更地所有権価格の3~5%程度とする事例が多いようです。

ちなみに、軽量鉄骨の建物が非堅固・堅固どちらに該当するかは、裁判所でも判断がわかれているようです。

・・・次回に続く

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借地契約で必要な承諾料

私どもでは地元を中心に借地のお取扱いもさせていただいておりますので、借地に関するご相談のお客様もよくお見えになります。ご相談で多いのは、更新や承諾料、相続に関する内容が多いようです。

借地で契約期間中に授受される金銭は、地代の他にだいたい次のようなものがあります。

1.増改築承諾料
2.条件変更承諾料
3.譲渡承諾料
4.更新料

今回は、借地の契約の途中で発生する承諾料等の種類を書くだけとなりますが、これから少しずつ書いていきたいと思います。
借地非訟事件便覧などを参考にしながらまとめていきたいと思いますが、承諾料の授受や金額的なものは、裁判例や地域・年代によって大きく変わる場合がありますので、あくまでも参考ということでお許し下さい。

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